スペンサーシリーズが好き!中でも繰り返し読んでしまう私の6冊!

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  • 私はあまり本を読むほうではありません。
    好きな作品を繰り返し繰り返し読み、古典も人気作品もあまり手を出すことはありません。
    たぶん、つまらなかったとき、ガッカリするからだと思うのですが。

    そんな私が気に入っているのが、ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズ
    暇なとき、寝る前などによく読むのですが、スペンサーシリーズの中でも再読するものは非常に偏っていることに気づきました。

    私の好きな作品を6冊、挙げてみたいと思います。

    (5冊に絞れませんでした。クリックでその記事に移動します)

    『春嵐』
    『プロフェッショナル』
    『スターダスト』
    『拡がる環』
    『失投』
    『冷たい銃声』

    読後スッキリ感重視です。

      
      

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    『春嵐』ロバート・B・パーカー

    ロバート・B・パーカーの遺作となってしまった最新作ですが、さすがに練れていて読みやすい。
    酒と薬に溺れていたZことゼブロン・シックスキルを、スペンサーが鍛え直すストーリー。
    シックスキルとは、「六人殺し」みたいな、インディアンの名前を英語にしたものなのかな。

    この作品で一番好きなセリフは、クワークがZに、
    「おまえさんはどうだ? 今回のことから何を得た?」
    と訊いたときのZの答え。
    「かみさんひとりと、ポニー2頭」
    ふふっ、てなりますね。

    なにが面白いかっていうと、Zはインディアンなんだけど、人種差別的なジョークを自分で言っちゃうとこ。
    これはこのシリーズでは徹底していて、黒人のホークもメキシコ人のデル・リオやチョヨも同じ態度をとりますし、スペンサーはアイルランド人というのをネタにしています。
    初めてスペンサーシリーズを読んだとき、うぶな私がもっとも衝撃を受けた部分でもあります。

    恋人のスーザンがよくいう「男同士の世界」がスペンサーとZの間にあるのも気持ちいい。
    Zは若く魅力的なキャラで、今後さぞかし活躍するところだったろうに、もう読めないなんて…

    最後にドーン・ロパタの父親がたいした罰を受けないのが物足りないですが、スペンサーがスーザンからヒントを、悪党のデル・リオやトニイ・マーカスから協力を得ながら、事件を解決していくのがテンポよくていいです。

    悪党と警察の両方につながりを保ち、暴力でものごとを解決する私立探偵なんてリアリティがないですが、それは舞台装置ですからね。

    その中で1つ2つ語られる人生哲学みたいなものを楽しんでいます。

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    『プロフェッショナル』ロバート・B・パーカー

    これも新しい作品。
    女遊びをしながら何人もの女を強請ゆすることで生計を立てるゲイリー・アイゼンハワーのキャラが立っています。
    スペンサーはなんとなく、「できることを仕事にしている」彼に共感をもってしまいます。

    ゲイリーと一緒になって画像や音声を恐喝のネタにする彼女のエステルも、なかなかゲスいわけですが、金持ちで年上の夫と結婚していて浮気をする女たちも相当ですね。

    頭の悪いチンピラ、ブーとそれを世話している撃ち手のゼルの間柄にもなんとなく心を打たれるところがあります。
    でもスペンサーは、ゼルがブーを撃つことを期待していたように読めます

    また、

    「愉しいことが好きなゲイリー」
    「そして三人が死んだ」私が言った。
    スーザンが悲しげな笑みを浮かべた。
    「それで、いまあなたはあの無邪気な男のことをどう思うの?」彼女が言った。

    これに対する答えは示されていなくて、ブーのことと併せて、ちょっとモヤっとはします。
    死んだキャラは死んでもよかったし、生き残ったキャラは生き残ってていいキャラなんですけども。

    まあね、探偵小説ですからね。

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    『スターダスト』ロバート・B・パーカー

    ハリウッドスター、ジル・ジョイスが登場する作品。
    非常に不愉快でアル中で、手に負えない自己中の女優、ジルが姿の見えない男に狙われているという事件です。

    非協力的なジルにはイライラさせられるし、犯人も衝撃的だし、でも読後いやな気分にならないのは、スペンサーが彼女がどうしてそう振る舞うのかという事情を汲み取るから

    ジルの場合は、ひどい家庭の出身でしたが、その美貌でデル・リオのような悪党と付き合って、そのうちスターにのし上がります。
    周りが彼女を王女のように扱い始めましたが、本人は心の深いところでは自分がそうでないことを知っているため、よけいに苦しむのだと、犯人が分かる前からスペンサーは考えていました。

    作者のロバート・B・パーカーが元学者だからか、精神分析的 な話が作品の中核になっています。
    心の動きが細かく描写され、それを読むのが、私はとても好き。
    スペンサーと精神科医で恋人のスーザンとの議論の中で精神分析がよく出てきますが、ほかのキャラの口を借りて語られることも多いです。

    またこの作品には、いくつかのパターンが見られます。
    悪党の息子や娘を救うことでコネを作ったり、身持ちの悪い女性の、絶縁した家族を訪ねると愚かな親が老いてみじめな貧困の中にいたり、傷ついた女性が犬を飼うことで癒される希望が示唆されたりなど。

    (なので私はよく他の作品と混同します)

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    『拡がる環』ロバート・B・パーカー

    上院議員をめざすアリグザンダー下院議員が、妻のみだらな姿を収めたビデオを元に脅迫される事件。
    アリグザンダーが、妻(非常にくだらない女だと思うけど)を傷つけるのであれば、上院議員を諦める、と言うので、スペンサーは協力します。

    スペンサーは女性が犯人でも、アル中でふしだらでも、相手の男性が女性を愛しているとなったら、見逃してしまいます。
    この話におけるアリグザンダーやスペンサーのそのまっすぐさというか、ロマンチックさが、私には好ましい。
    (他の作品で女性が犯人なのに逃がすのは苦手)

    ほかに、この作品でギャングのジョウ・ブロズと息子のジェリイ、部下のヴィニイ・モリスが初登場する楽しみも。
    ヴィニイはやがて悪党の友人のようなものになる、魅力的なガンマン。
    かっこいいですよね、ヴィニイ。

    ジェリイとスペンサーが対決して、ジェリイを生かしておくエピソードはまた別の作品『晩秋』に収められています。

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    『失投』ロバート・B・パーカー

    これも『拡がる環』に似ていて、ある野球選手が、妻リンダが昔出演したいかがわしい映画をネタに、八百長を強要される事件。
    リンダは『拡がる環』の妻と違って、芯が強くて凛々しい。

    スペンサーが恐喝犯人をやっつけるのも胸がすくけど、リンダが自ら過去を新聞記者に告白して記事にしてもらい、恐喝を無力化するところもスカッとします。

    そしてリンダがかつて所属していたコール・ガール組織の主、パトリシア・アトリイも魅力的。
    スペンサーが彼女を怒らせ、リンダが出た映画のマスターテープを渡すよう説得するところも見どころです。

    パトリシア・アトリイはのちに何回かシリーズに登場します。

    でも、私はアトリイとエイプリルが登場する『海馬を馴らす』『ドリームガール』は後味が悪くて厭ですね。

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    『冷たい銃声』ロバート・B・パーカー

    しょっぱな、無敵のホークが背後から撃たれるという衝撃作。
    ホークは自尊心を取り戻すために、復讐と償い以上の大仕事をしなければならないということで、ちょっとステディっぽかったセシルと別れることにもなります。
    スペンサーに対するスーザンの物分かりのよさが際立ちます。

    男性読者の中には、スーザンが自分勝手な女だということで好きでない人もおられるようですが、夢の女性ではなくスペンサーの解説役と見れば、そう腹も立たないのでは。
    実際には完璧な女性ではなく、スペンサーの欲目であるという気がします。

    あとは灰色の男グレイ・マンが再登場して大活躍するところが面白い。
    トニイ・マーカスが娘のことでスペンサーに協力せざるを得なくなっていく様も興味深いです。

    灰色の男は『悪党』で初登場し、『灰色の嵐』で三度登場しますがそのとき実の娘と会って、改心するというか、物の考え方を変えます。
    私は子どもがいないし女なので、そのへんの感情の機微はよく理解できませんが、この父性パターンがスペンサーシリーズでは非常に重要なようです。

    灰色の男はこの作品では、スペンサーやホークに金銭的に雇われて、クールに全面協力しています。
    というか彼がいなかったら解決しなかったような事件でしたね。

    あとスペンサーはブーツ・ポドラックを知っていると言っていましたが、作品の中では初登場です。
    『笑う未亡人』でボビイ・カイリイを知っていたのも、そうなっているけど初登場です。
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    まとめ

    ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズについて、おこがましくも語ってしまいました。
    みなさんのお気に入りとはだいぶ違うのでしょうね。

    スペンサーシリーズを読んで、バーでマティーニを頼んでカハッってなったり、ドーナツを10個くらい買ってきたり、いろいろな問題がなぜスペンサーとホークの活躍で解決しないのか不思議になってきたりと、地味に人生に影響を与える作品です。

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    でもスペンサーの髪の色と瞳の色がいまだに分からない私です。
    表紙のイラストだとたいてい茶色に書かれているけど、アイルランド系だということで黒っぽい髪で灰色の目のイメージですが、どうでしょうか。


    ココ