三木式免疫療法はケトン食だった?

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  • ケトン食とは特定の病気の治療食として、糖質をカットし、ケトン体をつくる点を利用するものです。

    ケトジェニックダイエットは、美容や健康のためにケトン食を応用したダイエット。

    ちょっと前ですが、三木式免疫療法というものが、日本にもありました。
    ケトジェニックダイエットの参考になる部分もあると思います。

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    ケトン食とは治療食!てんかん・ガンに

    ケトン食は食事の70~80%を脂質でまかなう食事法。
    もとは、難治性てんかん患者さんのための治療食です。

    てんかん患者さんは、糖質をとると脳の一部分が激しく興奮することが分かっています。
    脳に電気的な信号が走ることで、痙攣や硬直などの発作を起こします。

    そこで低糖質・超高脂質な食事=ケトン食にして、体内でケトン体をいっぱいつくるようにします。
    ケトン体は「抗てんかん物質」で、てんかんを抑えることができるのです。

    実際に、平成28年4月から、ケトン食が難治性てんかんの正式な治療食になっています。
    おもに子どもさんに対しておこないますが、副作用として成長が遅くなることがあり、継続しても2~3年のようですね。

    そういえば以前、福祉施設で働いていたとき、てんかんを持っている利用者さんがいらっしゃいました。
    食が細く、食事の時間はいつも食べてもらうのに支援員さんが苦労していました。

    ご家族からは「マヨネーズが好きだから食べさせて」といわれていたようで、ごはんにもおかずにもマヨネーズ。
    当時は「えーっ」って思いましたけど、ちゃんと理にかなったことだったんですね。

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    一方、ケトン食はガンにも有効ではないかといわれています。
    ブドウ糖がガンのエサだから、それを断つことでガンを小さくできるという説ですね。

    さいきんではケトン食ががんを消す (光文社新書)という本が話題です。

    完治させるには、ケトン食だけではなく化学療法や栄養療法なども必要とのこと。

    ガンには赤身の肉はよくないという説もあり、ガンにおけるケトン食と、てんかんにおけるケトン食とは当然ながら異なる点があります。

    治療食だったケトン食をダイエットに応用したのがケトジェニックダイエットといえます。
    アトキンスダイエットはケトジェニックダイエットのはしりです。

    その後、食事の糖質・脂質・たんぱく質の割合をいろいろ変化させて、低糖質なダイエットが出てくるようになりました。
    美容・減量を目的とする人と、病気全般の予防に用いようとする人とでは食事の方針が異なってきます。
    ケトジェニックダイエットにいろいろ流派があるのも当然かと思います。

    ケトン食といえば思い出す三木式免疫療法

    すごくマイナーですが、三木式免疫療法というものがあります。
    私はこの本↓で知りました。

    糖尿病の糖尿病からの生還―1日25グラムの塩が、僕の命を救ってくれた! (新風舎文庫)
    こちらはガンの本で癌からの生還―M式免疫療法の秘密 (三一新書)

    また、世にも美しいダイエット〈上〉 (講談社プラスアルファ文庫)
    世にも美しいダイエット〈下〉 (講談社プラスアルファ文庫)
    という本もあります。

    いずれも、大阪で診療所を開業していた三木一郎氏の治療について伝えています。
    三木先生は2007年に97歳で亡くなられています。

    脳外科医で、血液学の専門家で、免疫療法をされていました。

    膠原病やガン、アトピーなど難治性の病気をもった人々に独自の治療をほどこして、完治させたとか。

    そのうち、食事療法は、青菜と油、水と塩です。
    糖質は制限し、たんぱく質はちょっと。
    食事の半分が青菜で、不足カロリーはすべて油で補います。

    冬は3.6L、夏は5Lの水に、海の塩を毎日25g溶かして飲み、6000歩きます。
    腸と血液をきれいにすれば病は治る、という基本的な考えが底にあります。

    血液型抗原抗体反応が病気のもとだとするなど、ダダモとも共通点がチラホラ。

    ケトン体とか脂質代謝という単語はでてきませんが、一種のケトン食のように見えますね。

    『糖尿病からの生還』の阿部氏は、失明寸前まで糖尿病をほったらかしにして、いよいよ目の手術というときに、三木先生に出会います。
    ごはんはダメ、牛乳もダメという先生に、目を白黒させながら必死でついていき、ついに糖尿病を治してしまいます。
    もちろん、目の手術もしなくてすみました。

    『世にも美しいダイエット』の宮本氏は、糖尿病だった阿部氏が16kgもやせて、なのに唐揚げとパンとバターをむしゃむしゃ食べているのにびっくり。

    三木先生のところへ教えを乞いにいきます。

    宮本氏は、難病を治すストイックな食事療法としてではなく、美しくやせてしかもおいしい健康的な食事、という点に着目しました。

    おしゃれなダイエット法として話題になったものの、宮本氏は52歳で急逝してしまいました。
    父方の遺伝で心臓疾患の気があったそうです。

    それで「世にも美しいダイエット」は危険な食事という評価になりました。

    三木先生は研究や論文よりは、目の前の患者さんを救うことに尽力されていたので、書籍などはありません。
    阿部氏と宮本氏の本は、三木先生のことばをそのまま残してくれているので興味深いです。

    本を読むと、宮本氏はたくさんの野菜と油、少量の牛肉などをとっています。
    ただ、パンやパスタがやめられなかったことと、よい油として紅花油をとっていた点が気になります。

    三木先生の食事療法の特異な点の1つが、糖質は強力小麦粉ならよい、としているところです。
    どうやら「糖質は体内で作られないので、すこしはとる必要がある」と考えておられたよう。

    でも先生は1食にパスタ20gとかですけどね。

    なぜ強力粉かというと、グルテンが多く、でんぷんが少ないからです。
    また、米ではなくて小麦粉である理由はこうです。

    「欧米人は腸管透過性の高い幼児のときに離乳食で小麦粉を食べ、小麦粉に対して抗体ができ、成人してからセリアック病になる。
     日本人は離乳食で米を食べ、米に対して抗体ができるので、成人したら小麦粉に変えたほうがよい。」

    とはいえ、三木先生は「もっとでんぷんを減らしなさい」と繰り返しいっていますし、重病の患者さんには、小松菜と油のみという厳しい食事制限を指示していました。

    血糖値64くらいでガンの成長が止まるそうで、ガン患者さんには血糖値60以下を保つようにいいます。
    阿部氏のお兄さんが、肝臓ガンで余命半年となったとき、三木先生は血糖値40を保てばガンは治ると告げました。

    阿部氏のお兄さん、ほんとうに小松菜と油だけで1年2か月頑張り、ガンは消えてしまったのでした。

    血糖値40というのは完全なケトン食ですね。
    健康な人なら血糖値80以下で病気予防だそうです。

    もちろん、三木式免疫療法は食事療法だけでなく、血液をきれいにし免疫力を高めるための特殊な注射(すごく痛い)もあります。

    ところで、紅花油に多く含まれるリノール酸が体によくないといわれはじめたのは、90年代後半です。
    それまではリノール酸はよいと思われていて、三木先生はオリーブオイルよりも日本人に合うとして、紅花油を一押ししていました。

    三木先生は奥様と2人分で、小松菜2把、水と塩とレモン6個分の搾り汁、紅花油をトクトクトクっと注いでミキサーでグワーッと混ぜ、飲んでいたとか。
    大きめの丼に2杯、それが朝食だったそうです。
    おいしくはないらしい。

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    小松菜は生で食べると、植物性たんぱく質も鉄もカルシウムも吸収率がよくなります。
    でも、炒めても煮てもいいから、とにかくたくさんの油といっしょにとるのです。

    三木式免疫療法では栄養サプリメントは使いませんが、必要なものはぜんぶ小松菜に入っているそうですよ。

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    まとめ

    ケトン食は、超高脂質な治療食。
    てんかんやガンに効果があるとされています。

    それをダイエットに応用したのがケトジェニックダイエットです。
    いろいろ流派はありますから、瘦身や病気予防など、ご自分の好みと目的にあわせて選べばいいと思います。

    三木式免疫療法も、ケトン食の一種ですね。
    ただ、現在これを引き継いで行っている医師はいないようです。

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